現在研究室の中で後輩を指導している方の中には、このような悩みや不安を抱えている人もおられるのではないでしょうか。
本記事を読めば、丁寧に後輩指導することによるメリットが理解でき、研究指導へのモチベーションを高めることができますよ。
丁寧な後輩指導の大きなメリットとして、あなた自身の研究業績を多く獲得できることが挙げられます。
その結果、給付型奨学金や奨学金返還免除といった「大学生だからこそ」利用できる金銭獲得制度への採用確率が大幅に高まります。
本記事を読んだ一人でも多くの大学院生が、業績や金銭獲得の種となる後輩指導に積極的に取り組められるようになることを願っています。
研究室での丁寧な後輩指導のメリット
丁寧な後輩指導による利点は以下の5点が挙げられます。
- 共著業績を効率よく獲得できる
- 後輩の後輩への指導が楽になる
- 後輩からの信頼を得られる
- 自身の指導力が向上する
- 教えた事柄に対する自身の理解が深まる
それでは、これらの項目について詳細に説明していきますね
① 共著業績を効率よく獲得できる
丁寧な後輩指導のメリット1つ目は「共著業績を効率よく獲得できること」です。
あなたが丁寧に指導した後輩が良い研究成果を出すことができれば、後輩はその成果を持って学会発表や論文投稿をすることになりますよね。
もちろん、先輩のあなたも十分に研究に貢献したことになりますので、それらの研究発表に共著者として名前が載ります。
そのようにして獲得した共著業績は、給付型奨学金や第一種奨学金返還免除の業績ポイントとして高く評価されるのです。
共著業績を荒稼ぎして奨学金全額返還免除になった後輩もいましたので、たかが共著といって侮れないほどの評価になることもあります。
目に見える業績数として指導の成果が表れるのは嬉しいですね
時間的制約や研究進捗が予定通り出ないといったリスクにより、一人で稼げる主著業績数には限度があります。
効率よく継続的に業績を獲得するためにも丁寧な後輩指導は大切なんですね。
② 後輩の後輩への指導が楽になる
丁寧な後輩指導のメリット2つ目は「後輩の後輩への指導が楽になること」です。
例えば、あなたが修士1年次にB4の後輩を頑張って丁寧に指導してあげたとします。
そうすると、来年その後輩がM1に上がったときにあなたの丁寧な教え方が基本となり、次のB4に同じように丁寧な指導をしてくれる可能性が高くなります。
その結果、M2のあなたが就活や修論で忙しい時期にも、M1、B4の後輩たちが立派な業績を稼いでくれ、あなたの共著業績が増えることになります。
逆に、あなたが後輩指導をおろそかにしてしまった場合、その後輩も丁寧な指導をしようとは思わなくなるでしょう。
結局あなたも後輩も業績を稼げず、給付型奨学金や奨学金返還免除などのチャンスを逃すことになるのです。
私の研究室では、良い指導の連鎖も悪い指導の連鎖も毎年のように見てきました
もう既に後輩がついている、あるいはこれから後輩がつく予定という人は、あなたの今後の大学院生活で効率良く業績を稼ぐためにも丁寧な後輩指導に取り組んでみましょう。
③ 後輩からの信頼を得られる
丁寧な後輩指導のメリット3つ目は「後輩からの信頼を得られること」です。
時間をかけて丁寧に指導したことは、必ず後輩にも伝わりあなたの信頼獲得にも繋がります。
マニュアル作成や予稿・卒論添削、日常的なディスカッションなどのあなたがしてあげた丁寧な指導は、その後輩が指導”される側“から”する側“へ移り変わるタイミングで「先輩は本当に大変なことを私にしてくれていたんだ」と気づきます。
その恩を感じた後輩は、「今度は自分が後輩のために頑張らないと」、「先輩にもなにか出来ることがあれば手伝いたい」と思うでしょう。
期待しすぎるのも良くないですが、あなたの無償のギブによってお互い助け合えるような信頼関係を構築することができるのです。
それが回り回ってここまで紹介したような自分自身の業績に繋がりますので、是非後輩には丁寧な指導を心がけてみて下さい。
④ 自身の指導力が向上する
丁寧な後輩指導のメリット4つ目は「自身の指導力が向上すること」です。
試行錯誤を繰り返しながら丁寧に後輩に向き合い指導を続けていくことで、自分自身の指導力が大きく向上します。
後輩指導に力を入れていた人とそうでない人で「物事の伝え方、教え方、やる気の出し方」に大きな違いが現れていましたね
向上した指導力はその場限りのものでなく、社会人になっても活躍する必須スキルとなります。
特に長期間働く社会人では、年齢を重ねごとに身体や集中力が衰え、思うように成果を挙げられなくなってしまいます。
長距離出張や長時間残業といった、体力任せにした「一人で全てなんとかする」状態は長くは続きません。
あなたが研究室で鍛えた「優れた指導力」によって将来のある後輩を成長させてあげることで、指導者・マネージャーとしての持続的な活躍が可能になるなるのです。
⑤ 教えた事柄に対する自身の理解が深まる
丁寧な後輩指導のメリット4つ目は「教えた事柄に対する自身の理解が深まること」です。
人に物事を教えるときには、自分自身も十分に理解していないと説明できませんよね。
後輩への指導を通して自分の中で理解できていなかった部分を再認識し、学びなおす良い機会になります。
一人で研究を進めていると、目の前の結果を出すために最短ルートで突き進んでしまい、振り返ってみると十分な原理理解や理論構築が出来ていなかったということはよくあります。
- 初めてあなたの研究の様子を見た後輩から出てくる素朴な疑問
- 自分が説明していて「改めて考えるとなんでだろう?」という気づき
これらは、あなたの研究において根本的に重要なポイントである場合が多いです。
学会発表で質問される内容も、自分自身では意識していなかった研究内容に対する根本的な認識違いや理解不足であることがあります。
逆に言えば、後輩指導を通して自身の理解を深めておくことで質疑応答でしっかりとした回答ができ、学会賞受賞の可能性が高くなります。
丁寧な後輩指導を通して、あなた自身の研究理解度を深めていきましょう。
後輩指導のおすすめの方法についてはこちらの記事で紹介しています。
興味をお持ちの方は是非ご覧ください。
【あとがき】後輩指導の利点を知りモチベーションを高めよう!
本記事では、研究室における丁寧な後輩指導の利点を紹介してきました。
「情けは人の為ならず」とはよく言ったもので、後輩への指導を丁寧に行うことで巡り巡って自分の利を得ることになります。
丁寧な後輩指導によって獲得した業績やスキルによって、給付型奨学金や奨学金返還免除などの「大学生だからこそ」利用できる金銭獲得制度への採用確率が大きく高まります。
● 大学生におすすめのお金の稼ぎ方【給付型奨学金が最強です】
このような素晴らしい制度を有効活用して経済的な余裕が出てくると、勉強や研究、就職活動などにさらに集中して取り組むことができ、成果稼ぎの好循環を作ることができます。
先輩という立場である皆さんには、将来有望な後輩への丁寧な指導によって充実した研究生活を送ってほしいと思います。
以上で「研究室における丁寧な後輩指導の利点」活用術の解説は終わりです。
ご不明点等有りましたら、お気軽にツイッター「@Washimaru_UNIV」までご質問ください。
お疲れ様でした!