現在大学で働いているポスドクや任期付きの助教の人の中には、労働環境が過酷なため企業へ転職するかどうか考えている人もおられると思います。
大学の労働環境・待遇に不満は感じつつも、アカデミアという枠を超えて企業就職することが不安で一歩踏み出すことには躊躇してしまいますよね。
でも大丈夫です。心配ありません。
実際に大学から企業研究職に転職した私が「大学研究者の企業転職は必ず成功する」と断言します。
この記事では、私が企業転職が成功すると断言する理由をくわしく説明していきます。
本記事を読むことで、アカデミックの世界に未練なく自信を持って企業転職の一歩を踏み出せるようになりますよ。
企業へ就職/転職しよう【アカデミアから民間へ】
まず私自身の立場を明確にしておきます。
私はアカデミアよりも企業での研究活動を強くおすすめしています。
その理由は以下の6点があります。
- 【給料】大学研究者の給料は企業に劣る
- 【残業】大学研究者の労働時間は異常レベル
- 【安定】任期付き問題は改善見込み無し
- 【雑務】教授に近づくほど雑務が激増
- 【自由】「大学のほうが自由」は一側面の考え方
- 【業績】大学業績は企業では評価されにくい
アカデミックの「自由に研究テーマを設定して研究できる」という部分に対しては、今でも大きな魅力を感じています。
ただ、給料や福利厚生の手薄さ、ポジション獲得の難しさ、不安定さなどのアカデミック職のデメリットに関しては、どうしても目をつぶることができませんでした。
確かに助教や教授の先生の働き方を見ていると、アカデミックに残りたいとは思えないですね…
そうは言っても、いざ企業に行こうとしても「採ってくれるところが本当にあるのか?」、「研究内容がある程度被るようなポジションなんて無いだろう…」と不安に思われるだろうと思います。
私も転職を決める前は非常に不安に思い悩んでいました…
ただ、実際に転職して感じたのは「そのような心配は無用」だということです。
そのように断言する根拠を次の章から詳しく解説していきます。
大学から企業への転職が成功する理由
改めてになりますが、大学から企業研究職に転職した私は「大学研究者の企業転職は必ず成功する」と断言します。
そのように断言できる根拠は以下の4点になります。
それでは、これらの項目について詳しく見ていきましょう
理由①:アカデミックスキルは企業でもそのまま通用する
大学研究者の企業転職が成功する理由の1つ目は「アカデミックスキルは企業でもそのまま通用するから」です。
大学で身についた研究遂行のためのアカデミアスキルは、企業においてもそのまま通用する場面が多いです。
ポスドクBさんは非常に優秀な方で、コミュニケーション能力や情報収集能力、教育力などで高いスキルを持っており、転職活動でも複数の内定をもらうことができました。
引用:ポスドク/助教はつらい?やばいと言われるアカデミアの末路
アカデミアスキルには、例えば以下のようなものが挙げられます。
- 論理的思考力
- ライティングスキル
- 発想力(独自アイデア創出)
- 情報収集能力
- 財務管理能力
- 教育能力
etc…
論理的思考力や情報収集能力、教育能力といった能力は、企業で研究を進める場合でも必須のスキルであることは間違いありません。
その証拠に、企業ではこれらの能力を入社後に鍛えるための階層別研修が必修となっています。
社内研修には莫大な費用がかかっており、そのような投資をしてでも社員に習得してもらわなければならない能力ということですね
また、先に挙げた能力の中には、部長級になってから受けはじめるような研修もあります。
ポスドクや助教の方は、部長クラスが修得すべき能力をすでに持っている可能性が高いということですね。
これまで何度も「こんなにすごい先生がなんでこの程度の待遇で働かされなくちゃいけないんだろう…」と思ってきました
大学には本当に素晴らしい能力を持った人材がたくさん埋もれていると思います
理由②:企業の中途採用が積極化している
大学研究者の企業転職が成功する理由の2つ目は「企業の中途採用が積極化しているから」です。
終身雇用の崩壊が叫ばれて久しくなりましたが、それに伴って中途採用市場が右肩上がりで盛り上がってきています。
以下のグラフをご覧ください
こちらのグラフは、2014年から2021年下期までの転職市場の推移です(doda公式HPより引用)。
黄緑色の求人数に注目してみると、コロナショックにより2020年上期に大きく落ち込みましたが、すぐに回復基調に転じ、現在では急速な市場拡大傾向が続いています。
つまり、中途人材を必要とする企業が増えてきているということですね
最近の急速なトレンド変化(脱炭素、AI、DX等)に対応し続けるためには、その時々の時流に合わせて即戦力となる人材を採用し続ける必要があります。
そのような背景から、新卒一括採用、終身雇用という従来の日本式採用形態から、中途採用重視へとトレンドが変化しているのです。
求人対象にはアカデミア人材ももちろん含まれており、中途採用される可能性が年々高くなっていると言えます。
理由③:アカデミア経験人材は今後ますます需要が高まる
大学研究者の企業転職が成功する理由の3つ目は「アカデミア経験人材は今後ますます需要が高まるから」です。
これは企業にいて肌で感じていることなのですが、アカデミック人材は今後さらに企業で必要とされると予測されます。
2022年現在、人工知能(AI)やデジタルトランスフォーメーション(DX)、マテリアルズインフォマティクス(MI)、カーボンニュートラルなどのような大きな変革のタイミングにあり、企業もそれらを取り込んだ「変化」が求められています。
先が見えない変革の時代を生き抜くためには、常に最新の情報にアンテナをはり、新たなアイデアを生み出し続ける能力やバイタリティを持った人材が必要になります。
この需要にピッタリの能力を持ち合わせているアカデミア人材は、今後さらに企業に採用されやすくなるだろうと推測されます。
近しい分野の研究員として採用され、入社後すぐに実力が認められ昇進。まだ40歳代前半ですが、すでに管理職として年収1300万円以上もらっているようです。
引用:ポスドク/助教はつらい?やばいと言われるアカデミアの末路
こういった先の見えない時代を生き抜けられるような人材は、残念ながら企業にはほとんどいないと感じます
アカデミア人材はまさに今、社会に必要とされているのです
理由④:企業側も大学でのキャリアアップの難しさに理解がある
大学研究者の企業転職が成功する理由の4つ目は「企業側も大学でのキャリアアップの難しさに理解がある」です。
「アカデミア人材が求められている」とは言っても、准教授や教授クラスにまで上がっていないとなかなか採用されづらいのではないのですか?
実はそうでもないのですよ
最近ではポスドク問題、アカデミックポジション不足問題、理不尽な内部昇進人事が企業の中でも知れ渡ってきており、簡単に准教授や教授にはなれないことは常識になりつつあります。
しかし、ここで大学の悪い部分が出てしまいます。ある時、Fさんと同じ学科の准教授枠が2つ空いたのですが、どちらの枠も大して業績を出していない古株助教が内部昇進してしまったのです。
引用:ポスドク/助教はつらい?やばいと言われるアカデミアの末路
ポスドクや助教の中にも埋もれている優秀な人材がいると期待されており、積極的に採用される可能性が高いです。
むしろ、年齢の高い准教授以上の人よりも、少しでも若いポスドクや助教のほうが、企業としては採用しやすいです。
30歳代あたりの人だと短期間で管理職クラスへ昇進する可能性も高く、早めに転職を考えることが得策であると言えます。
大学から企業転職された私の先輩も、入社後3年で一気に管理職クラスの職位に昇進していました
【経験者談】転職活動を効率的に進める方法
アカデミック人材が企業にも強く求められていることは理解できました
転職自体が初めての経験になる場合に、効率的に転職活動を進める方法はあるんですか?
実際に大学から企業へ転職した知り合いが何人かいるのですが、最終的には「転職エージェント」に紹介してもらった非公開ポジションに就いた人が多いですね
- 専属アドバイザーがあなたにあった求人を紹介
- 非公開求人も多数取り扱う
- 職務経歴書作成、面接対策も徹底サポート
- 求職者は完全無料
就活でも転職でも、まずはリクナビやマイナビと言った就活ナビサイトに登録されると思いますが、そのような就活ナビサイトに公開されているのは一部の限られた求人のみなのです。
特に研究職ポジションについては、競合企業に内部戦略を知られないように求人を完全公開しないことが多くなっています。
なるほど…。この流れでいくと、そのような非公開情報を持っているのが「転職エージェント」ということですかね?
そのとおりです。私の知り合いも、転職エージェントで非公開求人情報を手に入れてピンポイントにマッチした研究職ポジションを獲得していました
転職エージェントでは転職希望者一人ひとりに専属のキャリアアドバイザーが付き、その人の経歴にあった求人の紹介から面談対策まで転職活動全般に渡ってサポートしてくれます。
少し調べてみましたが、転職エージェントサービスにも色々種類があるんですね
何かオススメはありますか?
転職求人数No.1のリクルートエージェントも安定感がありますが、私はアカデミック転職に特化したアカリク就職エージェント を最もおすすめします
アカリク就職エージェントは、院卒出身のエージェントが研究職、エンジニア職に特化してサポートしていますので、ポスドクや助教の方にはピッタリのサービスになります。
アカリクのコンサルタントは【技術理解】【業界理解】【求人理解】が高く、その多くが博士・ポスドクの背景を持つため、あなたの魅力を即座に理解し、あなたにあった環境を提案できます。
アカリク転職エージェントー株式会社アカリク
一般的な転職エージェントは、ほとんど企業から企業への転職をサポートしているため、環境が大きく異なるアカデミアの事情を十分に理解していない場合がほとんどです。
一方、アカリク就職エージェントは、アカデミアにいた経験のあるエージェントが揃っているため、大学で積み重ねてきた業績の価値、伝え方を熟知しており、あなたの価値を最大限高める転職活動をサポートしてくれます。
もちろん、アカリク就職エージェントでも転職希望者は手厚いサービスが完全無料で受けられます。
長期的な転職活動でも徹底的にサポートしてくれますよ。
少しでも転職を考えている人は一度無料登録だけしておいて、良い求人が出てきたらエージェントに連絡してくれるように依頼しておくと良いですね
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さらに詳しく企業転職について知りたいという方は、以下の記事が参考になりますので是非ご覧ください
【まとめ】より良い研究人生のために一歩踏み出す勇気を!
本記事では、大学研究者(ポスドク、助教)の企業転職が必ず成功すると断言する理由をくわしく紹介してきました。
中途採用市場の活発化と、AIに台頭される大きな時代の変革により、企業におけるアカデミック人材の需要が年々高まっています。
30歳代あたりの人だと短期間で管理職クラスへ昇進する可能性も高く、早めに転職を考えることが得策であると言えます。
大学には本当に優秀な研究者が多くいると感じています
安定して手厚い待遇のもとで、プライベートを犠牲にしない研究人生を1度考えてみていただけたらと思います
任期付きだと最終的に昇進できず脱落してしまうリスクもありますもんね
さらに詳しく企業転職について知りたいという方は、以下の記事が参考になりますので是非ご覧ください
以上で、大学研究員に従事されている方の企業研究職への転職が必ず成功する理由の紹介は終わりです。
ご不明点等有りましたら、お気軽にツイッター「@Washimaru_UNIV」までご質問ください。
お疲れ様でした!
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