こんにちは、わしまるです!
わしまる大学では、地方国立大学や中堅私立大学の立場を上手く使い倒し「スキル・お金・業績」の3つの成果物を得る術について情報発信をしています。
難関大学は内部での競争が熾烈だから、意外と地方国立大学や私立大学のほうが楽に成果を稼ぐことができることもあるんだ
今回はそんな3つの成果物のうち、重要な「スキル」となる「指導力」を磨くことになる研究室での後輩指導についてお伝えしようと思います。
こんな風に、研究室における後輩指導の方法やモチベーションが分からないという人は多いと思います。
そんな方々のために、後輩指導の利点と指導方針を2部構成でまとめていきたいと思います!
丁寧な後輩指導で得られるメリットに関しては以下の記事で詳しく説明していますので是非ご覧ください。
指導力が向上するだけでなく、自分自身の業績や奨学金返還免除の獲得に繋がるなど非常に多くの利点がありますよ。
本記事では具体的な指導方法、考え方に関して重点的に解説し、多種多様な考えを持った後輩たちをどのように導いてあげればよいかを具体的に説明しようと思います。
研究へのモチベーションが個々人で違うことを理解する
まず、後輩指導において最も重要なことは、個々人で研究活動に対するモチベーションが異なる事を理解することです。
例えば、「とりあえず卒業できればいいから研究活動は楽をしてやり過ごしたい」と思っている後輩があなたのもとに着いたとします。
そのような後輩に「真剣に取り組むことで成長に繋がるぞ!頑張れ!!」と言い続けてもその人が急に頑張り始めるはずはないですよね。
個人個人の研究に対するモチベーションは主に以下の4つおよびそれらの組み合わせによって成り立っていると私は考えています。
- 研究そのものが楽しい
- 実利(お金、業績)を得たい
- 褒められたい
- 楽をして卒業したい
私自身、もともと②、③の打算的なモチベーション割合が大きく、その後研究に取り組む過程で少しずつ①の研究の楽しさも分かってきました。
また、研究室には④のひたすら楽をしたい!という学生も多かったので、どのモチベーションに関してもある程度理解があります。
それでは、それぞれの項目に対する指導方針を説明していきますね
「研究そのものが楽しい人」への指導方針
研究自体に魅力を感じて楽しんで研究できる後輩に対しては、あなたは特に工夫をして指導する必要はありません。
大当たりと言ってもいい素晴らしい人材ですね。
あなたがすべきは、その後輩のやる気が継続するよう周囲に存在する障害を取り除いてあげることと、研究の方向性へのアドバイスです。
- 消耗品や薬品類の納入待ちが起こらないように在庫確認を促す声かけ
- 雑用過多にならないような調整
- 学会発表や論文投稿の情報提供
- 研究展開が明らかにおかしい方向に向かっている場合の軌道修正
特にこのようなやる気のある人は、そのやる気が空回って変な方向に向かうことがよくあるので、最後の研究方針修正は意外と重要です。
また、研究室では多くの情報を持っているやる気のある人に雑用が集中することが往々にしてありますので、先輩がそのあたりを教授等と調整し過負担にならないようにしてあげることも大切ですね。
やる気が継続出来るような影からのフォローによって、お互いにお互いの業績を量産する理想的な関係を築いていきましょう。
「実利(お金、業績)を得たい人」への指導方針
研究を通して奨学金返還免除や受賞などの実績を獲得したい人には、それらの適切な情報を与えてあげることでM2の終わり頃には素晴らしい成果を挙げているものです。
- 給付奨学金(返還不要、非常に様々な種類があり多くの人にチャンスあり)
- 貸与奨学金の返還免除(学会発表、受賞、論文等の総合点により全額or半額免除)
- 授業料免除(意外と多くの人が対象、授業でのGPAの重要性も伝える)
- 小規模学会の情報(受賞の確率:高)
- 大学独自の表彰や奨励金制度(獲得の確率:高)
上記のような、研究成果が実利に結びつくような情報を与えることで、「研究➞スキル向上➞業績獲得➞金銭獲得➞さらなる研究」の良い循環を作り出せるように導いてあげましょう。
「褒められたい人」への指導方針
教授や先輩に自分の行動や成果を褒められることが何よりのモチベーションとなる人も多くいます。
そのような人に対しては、行動やその人の周囲の環境変化を細かに観察し、適切なタイミングで気づき声をかけてあげることが大切です。
例えば、
「作業ペース早くなってきたね。ミスもほぼなくなって良い感じですよ」
「合成に新しい工程が増えていたけど、何を狙って追加したプロセスなの?」
「備品置き場のレイアウトがきれいになってたね」
「つい最近の論文読んでるんだね。情報収集を継続していて素晴らしい!」
など、ほんの小さな変化に気づいてあげることで、自発的に考え行動することが習慣化していきます。
このような承認欲求が強い人は、日常的にチラチラとこちらを見てきて気づいて欲しそうな態度が漏れ出ていることが多いので、普段から気をつけていなくてもその時に声を掛けてあげたら良いと思いますよ。
なんかかわいいですね。聞いててほのぼのします
「楽をして卒業したい人」への指導方針
後輩指導が苦手だという人は、このように如何に研究をせずに卒業するかを重視している人に対する対応が分からないからである場合が多いです。
実際、このような後輩への指導のやる気をださせることはなかなか難しいと思いますし、それにも関わらずこのような人は多いように思います。
私はこのような後輩に対しては、
- 就活をモチベーションの柱になるように誘導していく
- 細かく指示を出して最低限のデータを取得してもらう
の二本柱で指導をすることが多かったです。
「卒業さえできれば良い」と考えて大学院まで進学しているということは、逆に言えば「修士という学位を得て良い企業に就職したい」という意思が強いことを意味しています。
そうであれば、その意思に逆らわずに指導してやることが重要です。
例えば、
「エントリーシートESで記載するエピソードのために学会に行って他大学の教授と話をしてみようよ」
「受賞していたら就活で大きなアドバンテージになるよ」
「面接で話を広げるために、今の研究とは直接関係ない装置立ち上げもやってみない?」
「研究成果で奨学金を獲得して、環境に左右されずに成果を出せるという実績にしよう」
などなど、色々な切り口から就活に対して研究活動がプラスになると伝え、研究活動に意欲的に取り組んでもらえるように誘導することがオススメです。
また、そのような誘導をしたとしても「まずは自分のアイデアでとにかく動いてみて」という指導では、後輩も具体的に何をすればよいのか分からず時間だけが過ぎてしまうことが多いです。
しばらくはあなたから細かな指示を出して、確実に研究結果を積み重ねていけるように補助してあげることで、次第に自分自身で考え動けるようになっていきます。
このように、モチベーションを「研究室では楽をしたい=就活で良いところに行きたい」と捉え直し就活を軸にした動機付けを行なうことで、自発的に動けるような人材に育っていくのです。
共通して重要な指導方針
個々人のモチベーションごとに指導方針を変える必要があるということは分かったのですが、全体に共通するような重要事項はなにかありますか?
良い質問ですね。以下に指導時に気をつけるべきポイントを示します
- 注意だけでなく良い点も褒める
- 対面での会話が重要
- 日常的に、見られていなくても、時間をかけて指導してあげる
注意だけでなく良い点も褒める
怒られてばかりで気分の良い人はいません。
特に(私自身も含め)最近の若い世代の人たちは、怒られて伸びるというよりも褒められて伸びるタイプのほうが圧倒的に多いように思います。
私も確実に「褒められて伸びる」タイプですね
最近では、近所付き合いや馴染みの個人商店での会話などの”他人”との関係性が徐々に薄れてきています。
他人に「怒られる」および「褒められる」機会が大きく減少している中で、より「怒られたくない、褒められたい」という欲求が強くなっているのだと考えています。
そのような状況にあっても、後輩指導においては必ず怒ったり注意しなくてはいけない時が来るでしょう。
その際には必ず「直すべき点」とともに必ず「良かった点」も伝えてあげましょう。
「今回のミスはA工程を飛ばしてしまったことが悪かったですね。
ただ、このB工程を丁寧にしてくれていたのは良かったので、
次からは確実にA工程を行なった上で、引き続きB工程も丁寧に行なっていきましょう」
のような感じです。
悪い点ばかり伝えていると段々と研究に対するモチベーションが低下してきますし、細かなことまで先輩に確認してしまったり積極的にアイデアを出せない受動的な人物になってしまう可能性が高くなります。
反省点とともに良い点も確実に伝え、モチベーション高く自発的に研究活動できるよう導いてあげましょう。
対面での会話が重要
人にもよりますが、文面での指示ばかりではお互いの気持ちの深い部分を理解できずにギクシャクしてしまう場合が多いです。
メールやラインで指示をしたほうが、確実にエビデンスとして残りますし伝え忘れも少なくなるという指導側のメリットはあるのですが、どうしてもそればかりではうまくいきません。
私も初めはほとんどの連絡事項を文面で行なっていましたが、上手く伝わらない、動いてもらえないということが多く、これではダメだと反省しました
定期的に直接会話する機会を先輩側から作り、研究進捗や困っていることを聞いたり、相手の反応を見ながら柔らかく伝達事項を伝えることが重要なのです。
日常的に、見られていなくても、時間をかけて指導してあげる
効率良く教育をしようとして、ある期間にまとめて装置使用方法をレクチャーしたり、自身が重要だと思うタイミングでのみ指導してる感を出すことはオススメしません。
上級生であるあなたは、就活や修論、共同研究の調整などで非常に多忙だとは思うのですが、教育というものは時間を掛けて心から誠意を持って対応して初めて結果が伴うものです。
日頃からどんなに忙しくても後輩の学会予稿を丁寧に見てあげたり、修論博論の時期にも後輩の論文を確認できるよう自分自身の作業は早めに対応しておくなど、後輩ファーストでの研究活動が重要となってきます。
後輩は教えてほしい時に教えて貰えなかったらそのことをずっと覚えているものです。
あとから対応してあげたとしても、「この人は真剣に私のことを見てくれていないんだな」という印象は消えず、ずっと信頼されなくなってしまいます。
これはなかなか大変そうですね…
そうですね。非常に大変なことだとは思いますが、このような日常的かつ日陰での努力は後輩や周りの人達に必ずいつかは伝わります。
非常に大変だからこそ、誰にでもできるようなことではないからです。
その努力の先には、後輩とともに多くの業績を稼ぎ➞奨学金等を獲得し➞その成果をもって就活無双する未来が必ずありますので、是非とも日常的に丁寧な指導を心がけて頂きたいと思います。
【あとがき】モチベーションを見極める目を養おう!
本記事では、大学院の研究室におけるオススメの後輩指導方法、考え方を紹介してきました。
前記事でも書きましたが、「情けは人の為ならず」と言うように、後輩への指導は時間を掛けて丁寧に行なうことで、巡り巡って自分の利となります。
スキル向上 ➞ 業績獲得 ➞ 金銭獲得 という流れを作るためにも、先輩となる皆さんは将来ある後輩に是非ともしっかりとした指導をして欲しいと思います。
「後輩への丁寧な指導」で大学院生活で成果を挙げるための好循環を作り出しましょう
以上で「研究室における丁寧な後輩指導の利点」活用術の解説は終わりです。
ご不明点等有りましたら、お気軽にツイッター「@Washimaru_UNIV」までご質問ください。
お疲れ様でした!